2016 年 05 月 17 日
切妻屋根と寄棟屋根の特徴
一般の住宅等で使われる勾配屋根の形式は、切妻、寄棟、入母屋です。
入母屋は料亭などの用途や高級な住宅の屋根に用いられ、一般住宅では切妻と寄棟が使われています。
今回は切妻屋根と寄棟屋根の特徴についてお話させていただきます。
切妻屋根とは棟を中心に両側に勾配の付いた屋根で、妻側まで連続したものです。
結果的にローコストで、窓を抜けやすい構造にできるメリットがあります。
しかし、大半の家では切妻屋根なので特徴がない家になってしまいがちです。
寄棟は妻側にも勾配が付くので防水上優れています。
しかし、妻側の壁の窓を付ける部分が少なくなるのがデメリットです。
切妻でも桂離宮のように雁行型に連続させて配置すると、単調さが無くなりリズム感のある屋根となります。
寄棟は屋根の形が複雑になると納まりが煩雑になり、雨じまいが難しいので複雑な形状の屋根には切妻が適しています。
一つの建物で切妻と寄棟の両方を用いることも可能ですが、高いデザイン力が求められます。
工法としては寄棟のほうが切妻よりも複雑なため、価格も寄棟が高く設定されています。
切妻にするか寄棟にするかの判断は、平面プランの形が影響する場合が多く、無理のない選択が望まれるでしょう。