2016 年 05 月 23 日

屋根の勾配の影響とは?

日本建築は軒の深い緩やかな勾配の屋根が特徴で、当時の街並みは非常に美しかったと想像できます。

屋根の勾配は任意に決めてよいものではなく、それぞれの地域の特性と歴史的条件から決められるものです。

降水量が少なく、日中の日射量が低いヨーロッパ地域の屋根は庇がなく、勾配もきつくとられています。

一般的に屋根は勾配がきついと水切れがよい特性があり、ゆるやかだと雨水が流れにくいので、急にしたほうが雨漏りを防ぐ観点からは適しています。

ビルなどのほとんど平らな陸屋根は、雨漏りの危険性が増大するので、厳重な防水措置が必要となります。

日本の戸建て住宅の屋根は、一定の庇を付けることで雨の吹込みを防ぎ、直射日光が差し込まない工夫がされています。

屋根は材料によっても可能な勾配が決まっていて、瓦屋根は急勾配にできないし、あまり緩やか過ぎても防水上問題です。

鉄板系の材料は瓦棒葺きの場合は適用できる勾配の範囲が広く、横葺きの場合は少し急にしなければなりません。

屋根の勾配は屋根のメンテナンスをする時に人が上るため、あまり急だと作業がしにくくなります。

屋根の勾配は結構影響を与えてきますので、しっかりご検討してから決めましょう。